中国という国は、五千年余の歴史、五十六の民族、十三億を超える人口、九百六十万平方キロメートル程の面積を持つ国です。
その文化的多様性はおおよそ地球上の他の国には見られないもので、身近の例からいえば、中華料理というだけでも、そこには山東料理、四川料理、広東料理など大別しても八つの種類があります。
現代の日本において、人々が中国語を学ぶ理由はまさに十人十色だと思われますが、いかなる理由によるものかに関わらず、一旦中国語を習得すれば、中国の多様な文化にダイレクトに触れることができるようになります。
たとえば旅行に興味のある方なら、中国へ観光にいくとなると、まず国内で流通しているガイドブックを参考にするのが一般的な手段だと思われますが、中国の奥地には一般にはまだ知られていない、素朴で原始的な魅力を持った場所が山のようにあります。
中国語を習得すれば、そういった場所にもツアーガイドの手を借りることなく、自分自身の足で自由気ままにアクセスできるようになります。もっとも、中国語というのは一般的に北方語(普通话)を指しますが、民族・地域によって方言は様々で、大別しても十種類あります。中国語を習得したというだけで全国どこでも話が通じるとは限りませんが、書き言葉は共通なので、少なくとも読みの問題は解消されるでしょう。
「百聞は一見にしかず」(中国語では百闻不如一见と書きます)、ことわざにもあるように、外部から得られた情報よりも自分自身の実体験です。
ぜひ中国語を学び、中国の文化を自分自身の体と心で体験してみてください。縁があれば、それまでの人生観や世界観が一変するほどの体験にめぐり逢えることもあるかもしれません。
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